親知らずと歯ぐきの腫れ・痛みの原因は細菌です。親知らずは一番奥に生えているため、歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まり不衛生になりやすい環境にあります。
汚れが溜まったままの状態が続くと歯ぐきの歯周ポケットの中では、汚れを養分にした細菌が増殖し、歯ぐきの腫れや痛みなどの炎症の起因となります。
疲れが溜まっているときや体調不良などのときは細菌に対する免疫力が下がるため、親知らず周囲の歯ぐきに腫れや痛みが出やすくなります。
20歳前後に一番奥に生えてくる親知らずを「智歯」といい、智歯の周囲で腫れや痛みなどの炎症が起きることを「智歯歯周炎」といいます。
主な症状は以下の通りです。
・歯ぐきが腫れる
・歯ぐきから膿が出る
・触れると痛みが生じる
・ものを飲みこむときに痛みが生じる
・開口障害(口が開きにくくなる)
・顎のリンパ節が腫れる
・何もしなくても鈍い痛みがある
腫れなどの症状が軽い場合は、1週間ほどで炎症が治まることが多いですが、そのまま放置すると腫れや痛みを繰り返す、症状が強く出ることがあります。
炎症が強くなると、治るまでに数週間かかることもあります。細菌感染によって皮膚や皮下組織にまで炎症が起き、口が開きにくくなることや飲み込むときに痛みを感じることがあります。他にも、発熱や倦怠感などの全身症状が現れることもあります。
症状が軽く、親知らずが正常に真っ直ぐ生えてくる場合、歯ぐきの腫れや痛みが自然と治ることがあります。
親知らずが斜めに生えている、または歯ぐきが親知らずの一部に覆いかぶさっていると、口の中の清掃不良が続き、細菌が増えてしまいます。さらに体調不良などで免疫力が下がると、腫れや痛みなどの症状を繰り返すので、抜歯の検討が必要です。
歯ぐきの腫れや痛みが落ち着いたからといって、そのまま放置することはやめましょう。歯科医院を受診することをおすすめします。
歯科医師から「親知らずを抜いたほうがいい」と言われた場合は、早めに抜歯したほうが良いでしょう。
放置すると、腫れや痛みを繰り返すだけでなく、だんだん症状が強くなる可能性があります。
夜中や仕事中などで、すぐに歯科医院へ行けない場合の応急処置です。あくまでも応急処置なので、症状が落ち着いたとしてもそのままにせず、歯科医院を受診してください。
濡れタオルで冷やしてください。氷で冷やす場合は、タオルやガーゼに包んで肌に直接あてないようにしましょう。冷やし過ぎてしまうと血流が悪くなり、治りが悪くなってしまいます。
市販の鎮痛作用のある薬を飲んでください。我慢するよりもきちんと服用して休養しましょう。
歯磨きやうがい薬でうがいをして、口の中を清潔にしましょう。親知らずの周辺の細菌を減らすことで、歯ぐきの腫れや痛みなどの炎症の改善を促します。
親知らずと歯茎 親知らずのトラブル 急に痛み始めた親知らずの対処法歯科医院を受診したら、口の中を検査して歯科医師による診察、治療を行います。
親知らずがどのように生えているかレントゲン撮影で状態確認が必要です。虫歯や歯周病の検査もします。
親知らず周りを洗浄・消毒して、炎症部分をきれいにします。
レーザーには殺菌作用や組織の治癒促進作用があり、効果的に炎症を抑える効果が期待できます。
炎症を抑えるために抗生剤と痛みを弱める作用の痛み止めを処方します。処方された薬は用法・用量を守って服用してください。
炎症が落ち着いてから、歯科医師の診断により後日、抜歯を行います。
抗生剤の服用やレーザー照射などで炎症は抑えられますが、親知らずがあると、細菌が増えやすい環境です。親知らずを抜いて、細菌の増えやすい環境を改善する必要があります。
抜歯が不必要かについては、自己判断ではなく、歯科医師による診断が必要です。腫れや痛みの炎症があるときは、抜歯のための麻酔が効きにくい場合や炎症が悪化する場合もあるため、炎症が落ち着いてから抜歯を行います。
抜歯した方が良いと診断されたときは、抜歯後の腫れる可能性を考慮し、試験前や人前に出て話をする機会がないか、スケジュールを確認してから抜歯の予約をしましょう。
上の親知らずを抜いた後より下の親知らずを抜いた後の方が、比較的腫れやすいです。親知らずを抜いた日から2~3日後に腫れのピークがきます。顔の腫れや治るまでの期間には個人差がありますが、5~6日くらいで徐々に腫れは治まります。
歯科医師が抜歯したほうが良いと診断するには、いくつかの理由があります。炎症が落ち着いてもそのままにせず、早めに歯科医院で治療を受けましょう。
親知らずが斜めに生えている、または親知らずの一部が見えている場合は、清掃状況が悪くなりやすく、腫れや痛みを何度も繰り返してしまいます。さらに症状が悪化する可能性もあるため、抜歯して原因を取り除くことが望ましいです。
親知らずが斜めに生えている、または一部分しか見えていない場合の虫歯治療は困難なため、抜歯が必要と診断される可能性があります。
真っ直ぐに生えていたとしても、虫歯が進行して神経まで到達していると歯自体が脆くなり、抜く時に歯が割れ時間がかかる可能性があります。
親知らずが原因で手前の歯が虫歯になってしまった場合は、手前の歯の治療のために親知らずを抜くことがあります。
これは親知らずが手前の歯に悪影響を与えている状況が続くと、手前の歯の虫歯が進行して歯の保存が難しくなるからです。
上の親知らずは、噛み合う歯がないと伸びてきます。頬の粘膜や向かいの歯ぐきに当たって傷をつけることがあり、痛みを引き起こすこともあるので、抜歯が必要です。
親知らずが横向きに生えている場合、後ろから手前の歯を押すような力がかかります。特に矯正治療をした人は、親知らずが後ろから押す力によって歯並びに影響してしまうので、歯科医師の診断により抜歯の可能性があります。
下の顎の骨には太い神経があります。親知らずが生えている場所によっては、歯を分割して抜く必要がある場合があります。神経を傷つけないためにも親知らずと神経までの距離を測るCT撮影があると安心です。
条件が合えば、無理に親知らずを抜かなくても良い場合もあります。
親知らずが真っ直ぐ生えていて噛み合わせも問題なくしっかり噛めていれば、抜く必要はないと診断されるでしょう。
親知らずの手前の歯がなく、親知らずが真っすぐに生えていれば、ブリッジ(橋渡しのようなな被せ物)治療ができるので親知らずを残しておくことができます。
親知らずが顎の骨の中に埋まっていて、他の歯を押さない場合も抜く必要はありません。
虫歯や歯周病になっていない場合は、他の歯が無くなったときに移植に使えるので抜かずに残す場合もあります。
次に当てはまる方は親知らずを抜くときに注意が必要です。普段からお口の中を清潔にし、腫れや痛みが出ないようにしましょう。
妊娠中は胎児に影響する可能性があり、抗生剤や痛み止めの薬を飲むことはできません。妊娠中は体調の変化も起きやすく、母体への負担も通常より増えます。
妊娠中は特にホルモンのバランスが変化して、つわりで歯磨きがしにくく口の中の環境が悪くなりやすく、腫れや痛みの症状が出やすいことがあります。
出産後も子育てに忙しく、自分の時間を確保するのも大変なので、女性の方は妊娠前に親知らずを抜歯する方が増えています。
循環器疾患・血液疾患・糖尿病など全身疾患がある方は、薬の影響をを受けことがあります。
専門医と連携し安全に抜歯を行うこともできます。骨粗しょう症の薬のビスフォスフォネート製剤(BP製剤)を服用している人も注意が必要になり、担当医や担当歯科医師に事前に相談をするといいでしょう。
親知らず周囲の細菌が増殖することで、歯ぐきの腫れや痛みが出ます。
親知らず周囲を洗浄・消毒し、抗生剤や痛み止めを服用し炎症を一時的に抑えることはできますが、抜歯などの治療を受けない場合には腫れや痛みを繰り返すことがあります。
そのため痛みが治まっても早めに歯科医院の受診が必要です。
親知らずの抜歯が不安な方、他の医院で抜歯を断られた方、大学病院を紹介された方 まずは一度渋谷歯科へご相談下さい。
経験豊富なドクターが患者様のお悩みを丁寧に伺います。
親知らずの抜歯は、60分と非常に長い時間を予約でおとりします。基本的に60分以上の時間がかかることはありませんが、あらかじめ何が起こっても良いように長めの予約時間にしております。当日のキャンセルや無断キャンセルは、なさらないよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。
キャンセルの場合は3日前までに電話連絡ください。スムーズな親知らず抜歯への皆様のご協力何卒よろしくお願いします。
生え方 | 抜歯費用 | |
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真っすぐ | 初診料約3,200円 + 処置代約1,500円 + 薬代500円 |
約5,200円 |
斜め | 初診料約3,200円 + 処置代約2,000円 + 薬代500円 |
約5,700円 |
真横 | 初診料約3,200円 + 処置代約4,500円 + 薬代500円 |
約8,200円 |